引越しプロジェクトその1へ

引越し当日 (3/27)

 この日の引越し作業は朝10:00AMから開始予定だったが、引越し業者が15分ほど早く来てしまったために、土壇場で最後の荷物の整理に追われることになった。本当は航空便で送りたかった荷物が、船便用で送り出されてしまい、後で苦労することになる。引越し業者はやたらと巨大なトレーラーで来たのだが、荷物が見込みの半分にも満たず二台のうち一台は早々に引き上げて行った。さぞかし拍子抜けしたことだろう。貧乏駐在員ここに極まれリという感じだ。

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 また、引越し業者のサービスで売り払った不要品を買い手の元まで運んでもらった。これはご近所さんに売り飛ばした洗濯機と乾燥機である。他にも冷蔵庫を買ってもらい、大感謝である。実はこの洗濯機が、後々問題を引き起こすのだが。(後述)
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 大勢で来てもらったおかげで、引越し作業は2時間もしないうちに終わってしまった。大量の人がやってきて、梱包から搬出まで全部お任せのお気楽引越しである。自分たちは通関のための荷物リスト作りだけを面倒見ればいい。

 引越し当日自分は午前中で仕事を切り上げて、午後には引越しの手伝いに戻ってくる予定だった。しかし、既に昼前で引越し作業が終わってしまい弁当を買ってカミさんの苦労をねぎらうことにした。これは近所の日系スーパーで買った、のり弁当である。荷物の搬出も終わり、ほっと一息つきながらお茶を飲む。
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 そうそう、現金の整理も忘れてはいけない。Cash helps anything である。(笑)
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 手荷物とお祝いの品で混乱の極みである。お祝いに貰った花は、幼稚園に投棄してきてしまった。

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 不要品を早めに処分したおかげで、引越し当日はさほど忙しくなかったように思う。この日は幼稚園も最後の日であり、最後に家族揃って先生に挨拶に行った。

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 ガキんちょお気に入りの亀さんともお別れである。

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 もう家具も何もかも運び出してしまったので、早々に三年間住み慣れた家を後にする。この家については、しかるべき後に書き残しておきたいと思う。

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 前述したように、モーテルへ移動する。ここでは帰国までの間、二泊する予定だ。このモーテルも実は住み慣れた場所である。実は北米へ引っ越す直前、出張で三ヶ月の間滞在していた。

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 その、モーテルと同じ名前の猫と無邪気に遊ぶガキんちょ。猫もかまってもらって楽しそうだ。

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 このモーテルの良い点は、朝食がバッフェ(要するに食い放題) で宿泊客にはクーポンが配られることだ。内容はばりばりのアメリカンフードであるが、どうせ最後なので思いっきりFatty (脂っこい奴)をむさぼり食った。これをヤケと言わずして、何と言うのだろうか。
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 ガキんちょは甘めのチョイスで満足しているようだ。ご飯と味噌汁はあまり食わないくせに、めん類と果物は無限に食べてしまう。将来が心配だ。
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 姉妹で容量が違うくせに同じものを同じだけ取りたがる。残飯処理に追われるのは、いつも父親の役目だ。

 さて、この最終日の晩、洗濯機・乾燥機を買ってもらったお向かいさんより電話がかかってきた。何でも洗濯機から変な音がするとのことである。音を聞かせてもらうと、普段自分が使っている状態とさほど違わない。アメリカ製の家電はうるさくて当然だと思っていたが、別途メーカに問い合わせてみたところモータか駆動ベルトが損傷しているらしい。製品保証は1ヶ月ほど残っているのだが、保証の契約書をよく読むと持ち主を変更するのに$100-の支払いが必要である。これは予想外の出費であるが、まともに修理するよりも安いということで、これを我が家で負担して後は買い手に修理してもらうことにした。最後の最後まで手間をかけさせられるものである。買った人には迷惑だったかもしれないが、移動手段が無いのでホテルまでお金を取りに来てもらい事無きを得た。

さよならUSA, X-Day has come

 3/1 の朝、8時半にモーテルへリムジンが迎えに来た。どうせ最後なのでウナギのような長い奴を期待していたのだが、どうやら違うようだ。これで San Francisco 空港まで向かう。カミさんは終始無言である。

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 空港に到着した。既に荷物とガキんちょの世話でへとへと状態である。

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 やたらと長い通路を延々と歩かされて、ゲートまで向かう。さすがにSan Francisco空港は SanJose の田舎空港と違って巨大だ。子連れには当然小さいほうが便利なので、悪態を吐きながらゲートまで向かう。最後の最後で、自分は挨拶回り為のビーフジャーキー、カミさんは何やらよくわからない香水を買っていた。

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 朝飯を食ったときに買った牛乳を握り締める上のガキんちょ。自分の子供に他人を感じる瞬間である。
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 搭乗時間が来た。子連れの優先搭乗のおかげで、悠々と機内に乗り込む。実はチケットは747-400の二階席を予約してあったのだが、チャイルドカーシートが装着できないという事実が発覚し、急遽一階席に移動することとなった。これだからガキんちょ連れは不幸である。一体JALの二階席に座るチャンスが、何度あると言うのだろうか。

 色々と複雑な事情が相まって、私達一家はビジネスクラスシートの一角を占領している。しかも今回は天下のJAL だ。大荷物だったチャイルドカーシートも、何とか座席に装着した。ガキんちょとの駆け引きは、実はこれからが大変だったのだ。

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 さすがビジネスクラスは乗客に色々とおもてなしをしてくれる。これは一例、ドライなっとうである。口の中で反芻していると、だんだん生なっとうになってきて糸を引くのがわかる。既にヤケ酒も入って、行動が怪しくなっている。
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 これはおつまみに配られる、あられの詰め合わせである。某US航空会社で配られるピーナッツとは雲泥の差だ。ガキんちょは辺りを散らかしながら、これらスナックに狂喜乱舞である。

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食事も豪華だ。とても食い切れないが、写真にはおさめてしまった。
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 そうこうしている間に、成田空港に無事到着した。荷物の多さとも相まって完全グロッキー状態である。とりあえずは三年ぶりの日本での生活を楽しみ、逆カルチャーショックを楽しみたいと思う。これも一種の異文化体験ではないだろうか。

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最後に

 これで三年間の北米生活の記録は終わりである。えらい苦労の連続だったが、自分の最も楽しみとする異文化体験が堪能できたのは、貴重なことである。今後の駄文は何をネタにしようか考えているところではあるが、おそらく生活密接型になるに違いない。日常のたわいもない出来事の中にこそ、役に立つ発見があるのだろう。

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