SAYONARA USA
Florida, a land of everlasting
summer
12/25 - 12/29/2000
きっかけ
北米最後の長期休暇であるクリスマスが迫っていた。泣いても笑ってもこれが最後である。しかし、既にSanJoseを拠点にした近場のポイントはほとんど行き尽くしてしまっていた。残るは北にあるOregon州やWashington州方面であるが、既に国立公園の地域は雪も降っていて車でうろちょろするにはリスクが大きい。
そこで今回は一気に趣向を変え、温暖かつ湿潤な場所へ目を向けてみた。さらに最後の北米内からの旅行であることを考慮し、日本から行きにくい場所へ着目した。北米の地図を眺めると、この時期上の条件を満たすのはメキシコ湾沿岸だけである。手軽さからいけばTexas州になるのだが、ここは出張で何度も足を運んでいるのでご勘弁だ。
色々と検討した結果、Florida州にあるEverglades National Parkへ目的地を決めた。また、文豪ヘミングウェイが過ごしたという、Florida半島先端にあるKey
Westも訪れることにした。カミさんとガキんちょ供にとっては、初の大西洋との遭遇になる。
計画
例によって最大の懸案は目的地までの航空券である。今回はクリスマスから年末にかけての旅行であり、チケット取得の困難が懸念されたが、何とか四人分の座席を確保することができた。宿の予約その他は、前例に倣ってWeb経由で行った。本当に便利な世の中になったものである。
旅行日記
12/25
- SanJose から Miami へ
7:20AMという早朝便を取ってしまったがために、4:30AMに起床して空港へ向けて出発した。SanJose空港も最近滑走路を拡張するために駐車場が遠くへ追いやられてしまい、そこからシャトルバスを使って十数分かけてターミナルへ移動しなければならない。荷物+ガキんちょ×2をえっちらおっちら運び、これだけでも額から汗が噴き出た。シャトルバスでは下の子供用のチャイルドカーシートを置き忘れてしまったが、周回してきたバスを運良く捕まえることができた。忘れ物は誰にでもあるものだが、どうリカバリーするかで運の良さが試されるのだろう。
さて、空港で出発ゲートを調べ軽い朝食を取る。今日はクリスマスである為か、ゲート周辺もクリスマスのデコレーションが飾りつけてある。どのゲートも統一性が無く、てんでばらばらに飾りつけてあるようだ。
さて、今回チケットを取ったSanJose-Miami便は12/15に就航が始まった新しい路線である。そのゲートの前の床に案内が書いてある。新しい便でありながら空席は全く無く、早くも人気の路線となっているようだ。
北米の国内線はガキんちょ連れだとファーストクラスの後に優先して搭乗することができる。持参したチャイルドカーシートを座席に取り付け、出発を待つ。
定刻通りに飛行機が離陸し、しばらくしてから水平飛行になった。座席のシートベルトを外し、ガキんちょ供を放牧する。SanJoseからTexasまでは陸の上を飛ぶため、外の景色はなかなかだ。フロリダまでは約5000mile、約5時間でありる。時差は3時間であり、地球を約1/8周することになる。
途中朝食の後、クリスマスのキャンディーが支給された。個人的にはガキんちょの手がべたべたになるので好きにはなれないのだが、絶叫防止には効果てきめんである。このキャンディーはミントがかなり効いていて、ちょっと自分には合わない。しかし、ガキんちょ供は狂喜しながら舐めている。自分の子供に他人を感じる瞬間である。
途中食事の他に、おやつ用のスナックも支給される。中身はりんごとチーズ、クラッカーにチョコケーキである。リンゴはキャンディーと共にガキんちょ供にくれてやることにした。
Texas州を過ぎ、しばらく海上を飛ぶと再び陸地が見えてきた。下を見ると、真っ平らな沼地が広がっている。
- Miami到着
ここまで既に4時間が経過しており、ガキんちょ供は我慢の限界である。発火寸前と思われたときに、ようやくMiami国際空港に到着した。ターミナル内は冷房が効いているものの、かなり湿度が高い。以前フィリピンや梅雨時の日本に降り立った時の感覚に似ている。
さて、Miami空港は国際空港なだけあって巨大である。ゲートを過ぎた後、エレベータとエスカレータで上下を繰り返し、ようやくバゲージクレームに到着した。荷物を受け取りレンタカーの手続きを済ませると、再びシャトルバスに揺られレンタカーの駐車場に到着する。長時間フライトと荷物の多さもあって、既にこの時点で自分のほうがガソリン切れ寸前である。
- MiamiからFlorida Cityへ
Miami国際空港を早々に離れ、一路本日の宿泊地であるFlorida Cityへ向かう。久しぶりに知らない都会の5車線道路を運転したせいか、右も左もわからない。Yahoo
Mapで調べた最短ルートからは外れたが、何とか宿に到着することができた。窓を開け外の風を感じながら運転すると、あまりにCaliforniaと違う気温と湿度に驚くばかりである。しかしながら、飛行機で5時間飛んでも同じ国、同じ通貨、同じ言語だ。街並みには見慣れたスーパーの名前がある。アメリカは本当に巨大な国だ。
Miami市内を離れ、約40mile程運転し本日の宿であるBest Westernに到着した。本日は時差分3時間短くなっているが、何とか見込みどおりの日没には間に合ったようだ。近くのシーフードレストランで晩飯を手早く済ませ、早々に部屋に戻るとホテルの敷地内にあるプールやジャグジーに飛び込んだ。プールはちょっと寒いが、ジャグジーの泡マッサージはなかなかのものである。プールとジャグジーに交互に浸かり、時差ボケ解消の為に早々に寝ることにした。
12/26
- Florida CityからEvergladesへ
時差ボケと疲労もあって、10時直前に宿を出発した。今回はこの宿に2連泊であるため、荷物の移動が無くて比較的楽である。例によってマクドナルドの朝食セットを食いながら、本日のルートを確認した。
途中アリゲーターファーム(ワニ養殖場?)の看板を横目に一路西へ車を走らせる。今回ここを訪れる時間は無かったが、ガイドブックをによると必見の場所らしい。エアーボートというプロペラの推力で沼地を走り回る舟に乗るツアーがあるらしい。
- Everglades National Park
朝食を食いおわった後、宿のすぐ横の道である州道9336を入る。10mileも走らないうちに、Everglades National Parkのゲートを通過した。道の横には猫注意の看板が出ている。
この看板は一体何なのだと思いながらゲート直後のVisitor Centerに立ち寄ると、この標識と似たFlorida
Pantherの銅像が置いてあった。これは公園内に生息するPanther (ヒョウ)のようだ。ひょっとしたらお目にかかれるだろうか。
Visitor Center の周りは沼地だ。温暖湿潤な気候と相まって、砂漠を見慣れた自分にはとても新鮮である。
- Pa-hay-okee Overlook
Visitor Centerを過ぎ、少し車を走らせると最初のランドマークであるPa-hay-okee Overlookという地点に到着した。駐車場から少し歩くと広大な沼地の中に、ぽつんと見晴台のようなものが設置してある。周りが平らなので、ちょっと高いところでも見晴台になってしまう。まるで北海道を旅行したときのようだ。
- Flamingo
公園内の道路の末端にあるFlamingoに到着した。名前のとおりFlamingoがいるのかと想像していたが、その姿は見当たらない。かわりにペリカンがのんびりと海を泳いでいた。本当にのどかである。
観光船のチケット売り場を探し、その出発時刻を調べた。残念ながら今回は時間が合いそうに無いので、観光船に乗るのは断念した。
- 昼飯
同じくFlamingoにあるレストランで昼食を取った。ここは海が見える建物の二階にある。
これはSpring Roll(春巻)だが、単なる油で揚げたブリトーのようだ。名前は付けようである。他に揚げた白身魚が入ったサンドイッチを食った。なかなかウマい。
しばらく周辺を散策した後、お土産物を物色した。どこでも、お土産は手当たり次第買うときりがない。そこで旅の記念品はいつもマグネットとTシャツと決めてある。これらは全米どこの観光ポイントでも置いてあるので、旅の記念には最適だ。マグネットはガキんちょ供の手の届かないPCの筐体に張り付け、Tシャツはもっぱら寝巻にしている。これで旅のいい思い出が夢に出てくれば嬉しいのだが。
北米を旅行して毎回思うのだが、アメリカ人は本当に爬虫類や両生類が大好きだ。ここFloridaでは温暖湿潤な気候もあって、日本では到底受け入れられないようなグロテスクな土産物が所狭しと売られている。うちのガキんちょ供もカエルやカメが大好きだ。今後日本に帰ることを考えると、将来が心配である。
- 再びFlorida Cityへ
同じ道を逆にたどり、再びFlorida Cityへ向かう。沼地の中であるが、道路の両側に木が生い茂り、森の中を走っているような錯覚を感じる。
夕暮れ近くなって雲の間から低くなった太陽からの光が差し込んでいる。辺りは静まり返っていてエンジンと車が風を切る音だけが聞こえる。ほっとする瞬間だ。
左の画像の高解像度版はこれ
壁紙用のセピア色に変換したものはこれ
- 晩飯
昨日と同じく、近所のシーフードレストランで晩飯を取る。時差ボケか運転疲れの為か、ビールを少し飲んだだけで気が遠くなった。明日はいよいよ後半の目玉であるKey
Westへの移動だ。
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